プスットロー開発販売奮闘記

現在のプスットロー『プスットロー角』
現在のプスットロー『プスットロー角』

現在、ご好評をいただいている『プスットロー角』。

 

その開発から販売に至るまでのなが~い道のりをご紹介しようと思います。

 

文章能力がないので読み苦しい点があるかと思いますが、そこは大目に見てください(^^;


プスットローの開発が始まる

アトリエ店舗IMAIZUMIの責任者である私の次男が喘息の発作が発症したのが1歳半の時

さかのぼること2002年頃…

その後入退院を繰り返し、幼稚園に入るころにもまだ入退院の繰り返しで…

ひとり入院もできるようになり、飲料は看護師さんが時間でコップに入れてくれるお茶では足りなくなり、ペットボトル飲料を用意してコップに移すなどしていました。

が、コップに移す際にこぼす、ペットボトルにストローを入れておいて置いたこともありましたがそれも倒すなどなど...水分補給が必要なこともあり飲料接種に関してはかなり苦戦していました(*_*;

そこで、ペットボトルのキャップを開けずにストローは挿せないものか?との疑問が...

そこから、ペットボトルキャップ穴あけ具プスットローの開発が始まりました。

形になるまでの長い道のり

開発が始まったころは2009年くらい

構想は練っていたのですが、練ってるだけでゆったりペースでなかなか形にするまでには時間がかかりました(^^;

次の工程に移るまでには約一年かかりました…

当時社長(現会長)がジュラコンから外装を削り出し、軸ピンもステンレスの丸棒から旋盤で削り出していました。そしてネジで外装とピンを止める方法でした。

はじめはかなりシンプル(というよりはただの空洞をつくっただけ)の形でした。壁になる部分も厚く、中にペットボトルのキャップが収まればいいかなというようなもので、重量もありかなり使いにくいものでした。色もスプレーで着色していました。

その後テストしていくうちに壁を薄く軸ピンを入れ込む部分はしっかり厚めの現在のキノコ型に近い形になり軽量化を試みましたが、上から圧力をかける時にネジのポッチが手に当たり違和感というか何回も使用していると痛さが伝わってきます。そこで、紙粘土を上から付けさらにキノコに近いような形にしましたが、重さが元に戻ってしまいました。

何とかならないものか... 頭を抱えます

ネット検索の日々の結果、やっと形に!

何か良い材料はないかネット検索の日々...

そんな中レジンキャストなるものを発見

シリコンで形を作りキャスト液を流しいれ簡単に増産できるという代物

試してみない訳にはいかないと購入しました。

そして出来たのがこちらの製品。色付けも液体のキャストに染料を混ぜ込み調合によっては好きな色にできるという何とも素晴らしい出来栄えでした(当時)。理想の形に近づきましたが、今まで使用していた軸ピンを使うと固定が弱く数十回使用すると抜けてしまう問題に直撃。しかしこの解決方法はすぐ見つかり、軸ピンのインサートする部分に溝を掘れば解決しました。格段に強度が上がり軸ピンをいくつかの太さで作りどの太さが良いかの試作器を作るのも楽に製作できるようになりました。

近所のペットボトルキャップを集めているところから沢山キャップを分けていただき、いろんな種類のキャップを開けまくる日々が続きます。

このころからホームページでの製品紹介もするようになりました。

なぜか反応がイマイチ…

その間にまだ製品化になっていないものを出せる展示会や助成金などに出品してみるものの

反応はイマイチ・・・「こんなの需要あるのか」「ストローがもったいないじゃないか」などなど…

結構な勢いで言われ凹んだこともありましたが、逆にそれが闘志を燃やす言葉となり

『求める人はいるはず』と諦めずに進めました。

試作品をママ友に頼んてモニターをお願いしました。

使い勝手やネーミングも募集しました。この時に『プスットロー』の名前が決まったのです。プスッとさしてストローで飲める・・・(^^;

その後、モニターの意見をものに基本の形が出来上がり、ペットボトルキャップに穴をあけまくり理想の軸ピンの太さ形状も出来上がりました。ここまでサックと書いておりますが4年強の歳月が流れています(^^;

試作品を元に量産に対応できる外装の微調整が始まりました。最初の設計図より実際使用した感覚やどの角度が良いかを調べさらに精密に設計していきます。(株)今泉として培った業者様へ協力を仰ぎました。

そしてついに製品化!

そして出来上がったのがこちら。

色は親しみやすい明るめの色にしました。

出来た時にはそれはそれは嬉しかったです。


商品化してしばらくはプレ販売のような形でした。評判も上々。そして一般販売の初お披露目は、2013年10月産業交流展でした。

展示会に出たのも初めてだったので、かなりの緊張とともに出展しました。

当初は介護系をメインとしてプスットローを製作していたので医療介護エリアで出展し、ここでもやはり賛否両論のお言葉をいただきましたが、これまでに比べると賛のお言葉をいただくようになり否への悔しさを胸に賛の言葉を励みに、次はどのように広めていくかが課題となりました。

ホームページの見直し、その頃まだつたないSNSを駆使し地道に努力を重ねました。

業者に頼めばいいじゃないとの声もありましたが、モノづくりにおいて『まずは自分でやってみる』という信念のもと慣れないオンライン作業もまずは自ら、と無い頭を悩ませ、現在に至っております(^^;

その後から現在にいたるまで

その後は順調とまではいかないですが、こういった商品を必要とし探し求めて下さる方が増えました。

なかでも芸能関係の方が多く購入してくださることが判り、当初医療介護でのお客様を予想して製作していたものですから

この反応は驚きでした。その方々から口コミで広がり、某イベントホールのバックヤードに収めることもありました。

広告宣伝をしていなかったものですから(現在進行形)、この皆様の口コミは大変ありがたく思っております。

口コミのおかげで販売数も増え、増産なども行えるようになった時、お客様から『軸ピンがどこまで刺さっているのかわかりづらい』『中が見えたらいいのに』というお声をよく耳にするようになりました。何度も使っている、しかも製作側の私たちは既に使用することに慣れていた為どこまで軸ピンが挿入されているかの感覚は出来上がっていたのです。

そんなお言葉をいただき、中身をみえるように樹脂の材料を変え、新たにクリアタイプの仕様に変更しました。2016年1月クリアタイプ販売です。

 

初代プスットローは軸が円錐型のピンでペットボトルのキャップにストローを挿すとペットボトルの樹脂の収縮する力でストローにぴったりとくっつくようになっていました。当然空気穴はストローの空洞部分しかなく、硬いペットボトルや350mlのペットボトルだと飲み辛さも感じることがありました。

見えてきた改善点と挑戦

今度は飲みやすくする為の空気穴づくりを考える日々に入ります(ちょっと時間遡りますが2015年頃です)

空気を通すための穴を新たに作るか...? いやいや穴を多角形にすればいいのでは...?

以前芸能事務所の方が演者さんにストローを挿して飲料を提供する時

キャップにカッターで三角や四角に穴をカットしていると言っていいたのを思い出しました。

そこからまた試作が始まります。丸棒から三角や四角錐を削り出し、どの角度が良いか、穴の開き具合、ストローの入り具合なども見ていきます。こうして出来たのが現在の四角錐の軸ピンの基です。ストローの入り具合、空気穴の残り具合などベストなものでした。

そして次の難題が... これをどのように量産していくかです。ここでも協力業者様に相談に乗っていただきました。オールmade in JAPAN を目指していたので単価が安く量産出来る方法は、会社が日本でも生産が他国になるとの事で諦めましたが他の方法がなかなか見つかりません。同時進行で丸軸ピンをお願いしている挽き物屋さんにお願いしてみましたが良い返事がもらえず… 角ピンは諦めなければいけないのか… と思っていた時に朗報が入ります。挽き物屋さんから「出来たよ!!」の連絡が入ったのです。お願いしてから約一年後のことです。このおじいちゃんが ひとつひとつ 角軸ピンを作ってくれているのです。

職人さんに感謝

他の仕事がある中で、ベストな作品を造り上げてくれた職人さんに感謝です。

この軸ピンがなければ今のプスットローも無かったのと同じなので本当にうれしかったのを覚えています。

そして、新たなプスットローの製作成型が始まります。

初代プスットローはポップな色合いだったので、新プスットローは和のイメージを取り入れ落ち着いた色にし、紫紺(しこん).漆黒(しっこく).朱殷(しゅあん)の3色展開にしました。名前も四角錐軸ピンから取り入れ『プスットロー角』としました。2016年6月 プスットロー角発売です。思った通り、角ピンの方が切り開く感じで穴が開きやすくなり、飲料を飲む時も飲みやすくなったことがお客様にすぐに受け入れられ反響は上々でした。空気穴が開くことにより、炭酸飲料が大好きな私自身もウハウハでした(*'▽')

これと同時期に丸軸ピンの初代プスットローの生産を終了しプスットロー角のみの取り扱いとしました。

その後お客様の声と共に送料の見直しや販売方法変更、支払方法の変更に伴う販売サイト移動など、奮闘は現在進行形です。

さいごに

思えば、構想から10年以上たっていたのかとこの記事を書いていて改めて思いました。(2020年)

開発から発売になるまで約4年、現在の販売形態に至るまで約8年の歳月が流れていました。

ここまで来られたのも、この商品を必要としてくれているお客様がいらっしゃるからこそです。

これからもお客様のお声に耳を傾けながら弊社にできる事を実行していけたらと考えております。

今後とも『プスットロー角』『株式会社 今泉』を宜しくお願いいたします。

 

長々とこの長文にお付き合いくださいましてありがとうございました(^^)/

追記

2021年4月 プスットロー角はこれまで展開してきた3色から、1色へ変更いたします。

新色は《CHERRYBLOSSOM》。

(株)今泉がある東京都台東区の木は『桜』。それにちなみ、桜と和をイメージした色で製作いたしました。

今までのものより色が薄く、軸ピンがどこまで刺さっているのかが よりわかりやすく見えるようになりました。

そして名前も、角軸ピンしか取り扱わなくなったので『角』を取って、『プスットロー』に改めました。

これまでご愛顧いただいた、紫紺(しこん)、朱殷(しゅあん)、漆黒(しっこく)の3色は廃盤色となります。

 

上記の理由プラス安定した製品の生産も含めた1色展開ですが、これまで同様ご愛顧のほどお願いいたします。

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